為替相場で円安が進む理由①

ご出演いただいたFXサークルの方々

職種も年齢も異なる4名のトレーダーが交流サイト(SNS)で知り合い、週に2回程度集まっては実際に売買を仕掛けている。将来の目標は、FXだけで生計を立てること。どのような思いで取引をすすめているのか、話を聞いた。

米国経済の二番底懸念が払拭

一時は76円台まで下落したドル/円相場が85円台まで急反発したきっかけとなったのは、3月18日に決定されたG7による協調円売り介入である。 2010年9月には日本政府による2兆円規模の円売り単独介入が行われた。今回の規模感はそれより小さいと見られているが、過去、協調介入は円相場の長期トレンド転換に繋がったことが多い。数力月程度のタイムラグはあるかもしれないが、今回の協調介入も過去4年弱続いた円高トレントの転換に繋がる可能性が高いと思われる。

 

当然、為替相場の長期的なトレンドが介入だけで転換する訳ではない。国内外のファンダメンタルズ変化や、それを受けた金融政策などの方向性が重要性を持つ。その観点で、まず注目されるのは、米国経済が回復の兆しを強め、2010年半ばに高まった二番底懸念やデフレ懸念が払拭されたこと。米連銀も2010年11月に決定した量的緩和策(QE2)を2011年6月に予定通り終了させると見られ、むしろ足許においては地区連銀総裁らを中心に将来的なインフレ懸念や金融引締めの必要性を訴える発言が目立ち始めた。

 

QE2が食品を含めた世界的な商品・資源価格高騰に繋がり、それが北アフリカや中東での地政学リスクを高め、更なる原油高を招いているとの批判もあり、政治的にも米連銀の金融緩和は修正が求められるようになってきている。4月7日の理事会で欧州中銀は0.25%の利上げを決定したが、米連銀も年内には欧州中銀に追随することになるのではないかと思われる。米市場金利の上昇が次第に米ドルの下支え要因になってくるだろう。

注目のマーケット情報

最近の株式市場は、スマートフォン市場の拡大を背景としたSNS関連のほか、地熱発電、リチウムイオン電池といった次世代エネルギー関連などへの物色も期待されよう。特に日経平均がシカゴ日経225先物清算値(8515円)にさや寄せ後に高値保ち合いになるようだと、やや仕手系色の強いテーマ銘柄に短期筋の値幅取り狙いの資金がシフトする可能性がある。日経平均は為替市場の円安相場に助けられ、中期的には上昇するであろう。